敗者のゲーム[原著第8版]【電子書籍】[ チャールズ・エリス ]
はじめに:なぜこの本を手に取ったか
2025年4月、株式市場は大きく揺れました。特にハイテク株やグロース銘柄を中心に大幅な調整が入り、私自身も含み損が一気に増え、不安や迷いを感じる日々が続いていました。
そんなとき、あるSNSの投稿が目に留まりました。
**「暴落のときこそ、『敗者のゲーム』を読み返すと迷いがなくなる」**という、シンプルだけど重みのある一言です。
その投稿をきっかけに、一度読んでみようと思い手に取ってみると、まるで今の私に語りかけるような言葉が並んでいました。
市場と戦うのではなく、ミスを減らし、生き残ることが最善の戦略である。
市場タイミングに賭けるべきではない。
不安を感じるたびにこの本を読み返す人がいる理由が、今ならよくわかります。
難しい理論より「投資との向き合い方」を教えてくれる
『敗者のゲーム』は、ファンドの理論や複雑なチャートの読み方を教えてくれる本ではありません。それよりも、「そもそも投資とは何か」「投資家がやるべきこと・やるべきでないことは何か」を、行動経済学や実例を交えながらわかりやすく語ってくれます。
特に印象に残ったのは、「プロ同士の競争が激化した市場では、勝者のゲーム(=上手なプレーヤーが勝つゲーム)ではなく、**敗者のゲーム(=ミスを少なくした人が生き残るゲーム)**になる」という考え方です。
個人投資家が勝つために必要な“ルール”とは
本書では、個人投資家にとって最も重要なのは「市場に勝とうとしないこと」だと繰り返し語られます。
その代わりに求められるのが、自分なりのルールを定めて守ること。
- タイミングを見て売買しない
- 安易に流行の銘柄に飛びつかない
- 長期で持つと決めたら市場を気にしすぎない
こうした「やらないこと」を明確にしておくことで、私たちは“ミス”を減らすことができる。つまり、それが「敗者のゲーム」における最良の戦略になるというのです。
長期投資を成功させる3つの原則(コスト・分散・忍耐)
本書の中で、長期投資を成功させるための3つの柱として以下が繰り返し登場します。
① コストを抑えること
手数料や信託報酬など、目に見えにくいコストは長期的に資産形成に大きな影響を与えます。インデックスファンドを使い、極力低コストに抑えることが鍵です。
② 分散すること
1つの銘柄や業種に偏った投資はリスクが高すぎます。世界中の株式や債券に広く分散することで、安定したリターンが期待できます。
③ 忍耐を持つこと
市場は上がったり下がったりを繰り返します。そのたびに焦って売買していては、複利の恩恵を受けることができません。**「何もしない強さ」**こそが、長期投資家の最大の武器なのです。
本書から得た投資哲学と今後の自分の方針
この本を読んだことで、私は「市場を予測しようとすること自体が、そもそも間違っていたのでは」と考えるようになりました。
短期的な上下に振り回されることが減り、精神的にもかなり安定しました。
投資系Youtuber(VTuber?)のシバイヌおやびんがGoogleColabを利用して毎月Nasdaq100のTOP10を算出して投資する方法を紹介していたので、それを参考に米国株を購入してみるのも面白いかなと思いました。
まとめ:市場と戦わない勇気が、最大の武器になる
『敗者のゲーム』は、個人投資家にとって「知識を増やす」本ではなく、「自分の投資行動を見つめ直す」ための本です。投資の世界は、情報が多すぎてつい迷ってしまいがちですが、本書のメッセージは一貫しています。
『市場に勝とうとせず、負けないことに徹する。』それが、個人投資家にとって最も合理的で、もっとも継続しやすい方法なのだと、私はこの本を通じて学びました。投資に迷いがある方には、ぜひ一度読んでみてほしい一冊です。
皆さんも、もし投資に興味があれば、ぜひ一緒に学び、成長していきましょう!