株式投資で重要な指標一覧
指標は業界・業種によって異なるため、活用するにはしっかりと業界・業種の指標の目安を調べる必要があります。
指標 | 意味 | 活用ポイント |
---|---|---|
PBR | 株価の資産価値 | 1倍未満は割安の可能性 |
PER | 株価の割安度 | 低いほど割安、高いほど成長期待 |
EPS | 企業の収益性 | 高いほど企業の収益力が強い |
ROE | 株主資本の収益性 | 10%以上が望ましい |
ROIC | 投資効率 | ROIC > WACCなら価値創造 |
配当利回り | 配当の収益性 | 4%以上なら高配当銘柄 |
配当性向 | 利益の配当割合 | 50%以下が健全、80%以上は減配リスク |
FCF | 企業の財務健全性 | プラスなら資金余裕あり |
PSR | 売上に対する評価 | 1倍未満は割安 |
EV/EBITDA | 企業価値評価 | 低いほど割安、製造業で有用 |
PEGレシオ | 成長性を加味した割安度 | 1以下なら割安 |
PBR(株価純資産倍率:Price Book-value Ratio)
意味:株価が1株あたり純資産(BPS)と比較して割高か割安かを示す指標。PBRが1倍のとき、企業の解散価値と株価は同じ水準であると言われています。解散価値とは、企業が解散して清算した後に残る金額です。
計算式:
PBR = 株価 ÷ BPS
ポイント:
・PBRが1倍以下 → 割安だが、業績が低迷している可能性も
・PBRが高い → 市場が将来の成長性を高く評価している
PER(株価収益率:Price Earnings Ratio)
意味:株価が1株あたりの利益(EPS)の何倍で取引されているかを示す指標。つまり、PER10倍の場合は、「もし毎年同じ純利益が得られるならば、10年で元が取れる」ということにもなります。
計算式:
PER = 株価 ÷ EPS
ポイント:
・PERが低い(10倍以下)→ 割安と考えられることが多く、日経平均では11倍から17.5倍の間で推移しています
・PERが高い(30倍以上)→ 成長期待が高いが、過大評価のリスクも
EPS(一株当たり利益:Earnings Per Share)
意味:企業の純利益を発行済株式数で割ったもので、収益性を表す指標。
計算式:
EPS = 純利益 ÷ 発行済株式数
ポイント:
・EPSが高い→ 企業は収益性が高い
・EPS成長率が高い→ 企業の将来性が期待できる
ROE(自己資本利益率:Return on Equity)
意味:自己資本を活用してどれだけの利益を生み出しているかを示す指標。なお、自社株買いなどで高めることも可能なため、その内容に注意する必要があります。
計算式:
ROE = 純利益 ÷ 自己資本 × 100
ポイント:
・ROEが10%以上 → 効率的に利益を生み出している
・PROEが低い → 経営の効率が悪い可能性
ROIC(投下資本利益率:Return on Invested Capital)
意味:投下した資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示す指標。目安は、業界や業種によって異なります。たとえば、製造業では約5~10%、人材業では約10~15%が目安とされています。
計算式:
ROIC = 税引後営業利益(NOPAT) ÷ 投下資本(株主資本+有利子負債)
ポイント:
・ROICが高い → 資本効率が良い
・ROIC > WACC(加重平均資本コスト) なら企業は価値を創造している
※WACC=企業が資金を調達する際に必要となるコストを計算する方法のひとつで、企業の資金調達コストを総合的に表す指標です。
配当利回り(Dividend Yield)
意味:株価に対する年間配当の割合を示す。
計算式:
配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100
ポイント:
・配当利回りが高い → インカムゲイン投資向き
・高すぎる場合(10%以上)は減配リスクに注意
配当性向(Dividend Payout Ratio)
意味:企業の利益のうち、配当に回される割合を示す指標。
計算式:
配当性向 = 配当金 ÷ EPS × 100
ポイント:
・50%以下が一般的
・80%以上は減配リスクが高まる可能性
FCF(フリーキャッシュフロー:Free Cash Flow)
意味:企業が自由に使える現金の余裕を示す指標。
計算式:
FCF = 営業キャッシュフロー - 設備投資
ポイント:
・FCFがプラス → 財務が健全である可能性が高い
・FCFがマイナス → 設備投資が過大になっている可能性
PSR(株価売上高倍率:Price Sales Ratio)
意味:株価が売上高と比較して割安か割高かを示す指標。まだ事業が軌道に乗っておらず、利益が出ていなかったり、純資産がマイナスである新興成長企業やスタートアップの会社の株価を評価するのに適しています。
計算式:
PSR = 時価総額 ÷ 売上高
ポイント:
・20倍以上 → 割高と判断されることが多い
・0.5倍以下 → 割安と判断されることが多い
EV/EBITDA(企業価値倍率:Enterprise Value to EBITDA)
意味:EV(企業価値)をEBITDA(利払前・税引前・減価償却前利益)で割った指標。ある企業を買収した場合、その企業が獲得するおよそ何年間の本業利益で、買収した際のコストを回収できるかを測定する指標。
計算式:
EV/EBITDA = EV(株式時価総額+純有利子負債) ÷ EBITDA(税引前利益+減価償却費)
ポイント:
・8倍以上 → 割高と判断されることが多い
・8倍以下 → 割安と判断されることが多い
PEGレシオ(Price Earnings Growth Ratio)
意味:PERとEPS成長率を組み合わせた指標。PERに企業の成長性も加味しており、PERが高い銘柄や成長企業の株価の割安性を判断するために主に使われます。
計算式:
PEG = PER ÷ EPS成長率
ポイント:
・2以上 → 割安と割高される
・1以下 → 割安と判断される
まとめ
株式投資を始めると、たくさんの指標が出てきて戸惑うこともあるかもしれません。しかし、基本的な指標を押さえておけば、投資の判断がしやすくなります。
例えば、PERやPBRを見れば、その企業の株価が割安か割高かが分かります。EPSやROEは、企業がどれだけ利益を出しているかを測る指標です。さらに、ROICやEV/EBITDAを活用すると、企業が投資したお金をどれだけ効率的に使っているかが分かります。
また、配当利回りや配当性向をチェックすることで、株を持っている間にどのくらいの配当を受け取れるのかが分かります。PSRやPEGレシオを使えば、成長性の高い企業を探す手助けになります。
まずは PER、PBR、EPS、ROE などの基本的な指標を押さえたうえで、投資対象の企業を比較してみるのがおすすめです。慣れてきたら、ROICやEV/EBITDA、PEGレシオなどのより高度な指標も活用して、企業の価値をより深く分析していきましょう!
皆さんも、もし投資に興味があれば、ぜひ一緒に学び、成長していきましょう!