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今米国債が熱い?国債について調べてみました!

 米国債は「安全資産」として投資初心者にも人気が高い金融商品です。しかし、国債投資は理解が難しくなかなか手が出せませんでした。今回は、調べたことを解説しつつ、米国債利回りが上昇している今の環境での今後の私がとる戦略についてもご紹介します。

米国債利回りと価格の基本原理

債券の仕組みを知ろう
1.クーポン金利(Coupon Rate)とは?
 米国債は政府が発行する「借金」で、購入者は貸し手になります。債券を購入すると、額面金額(100ドルなど)に対して毎年固定の利息がもらえます。これをクーポン金利と言います。
額面:100ドル
クーポン金利:3%
年間利息:3ドル(100ドル × 3%)
満期:債券の期限(1年、10年、30年など)、満期が来ると額面が返却されます。
このように、クーポン金利は固定されており、市場金利が動いても変わりません。

2.利回り(Yield)とは?
 利回りとは、現在の市場価格を基に計算される債券の投資収益率を指します。債券の価格が変動するため、利回りは一定ではなく、常に変動します。
額面:100ドル
クーポン金利:3%
市場価格:98ドル
年間利息:3ドル
満期:1年
利回り(YTM):5.10%
 ※利回りの計算は複雑なため未記載
 
3.利回り(市場金利)と価格の関係
債券価格と利回りは、シーソーのような関係です。
市場金利が上がると
 新規発行の債券はより高い利率を提供します。これにより、既存の低利率の債券は相対的に魅力がなくなり、価格が下がります。
・市場金利が下がると
 新規発行の債券は低い利率を提供します。これにより、既存の高利率の債券が魅力を増し、価格が上がります。

債券の価格を決める要因

債券価格が変動する理由には以下のような要因があります。

  1. 市場金利の変動:FRBの政策金利が上下することで、市場金利全体が変動します。
  2. 経済成長の見通し:景気が強いと金利が上がりやすく、価格が下がります。
  3. インフレ率:インフレが高いと、債券の実質的な価値が下がり、価格が低下します。

現在、米国債利回りが上昇している背景

2022年から2023年にかけて、米連邦準備制度(FRB)はインフレ抑制のために大幅な利上げを行いましたが、2024年に入り利下げ局面に移行しました。それにも関わらず、米国債の利回りが上昇している背景を解説します。

  1. 経済成長の強さ
    米国の経済指標(GDP成長率、雇用統計)が予想を上回る好調さを示しています。経済が強い場合、インフレ懸念が高まり、利回りが上昇する要因となります。
  2. インフレ懸念の継続
    好調な経済指標やトランプ政権の関税等の政策不安からインフレ率がFRBの目標である2%を上回る水準にとどまっています。インフレが長引くと、投資家は実質利回り(名目利回りからインフレ率を引いたもの)が低下することを嫌い、債券を売却し利回りが上昇します。
  3. 財政赤字による米国債の大量発行
    米国政府は財政赤字を補うために大量の債券を発行しています。債券の供給が増えると市場では供給過多となり、価格が下落(利回り上昇)しやすくなります。2024年は特に政府支出の増加が目立ち、債券の需給バランスが崩れています。

現在の金利と株価の「負のループ」

米国債券安と株安が同時に起きている現象は、以下のような「負のループ」によって悪化しています

  1. インフレ率が高止まりし、FRBが高金利を維持
  2. 高金利が消費・投資を減少させ、企業収益の圧迫懸念
  3. 投資家が株式から資金を引き上げ、株価が下落
  4. 低水準な実質利回り(名目利回り − インフレ率)による魅力低下から生じる米国債利回りの上昇(価格の下落)

知っておくべき投資リスク

米国債は安全性が高いとされますが、価格変動リスクもあります。

  • 利回り上昇局面のリスク
    価格が下がり、売却時に損失が発生する可能性があります。
  • 長期債券の価格変動リスク
    満期が長いほど、金利変動の影響を受けやすいです。
  • インフレの影響
    高インフレ時には、債券の実質価値が下がります。
  • 為替の影響
    ドル安円高になると、為替差損がでる可能性があります。

初心者向けの投資戦略

利回りが上昇している今、初心者でも活用できる戦略を以下にまとめました。

  • 短期債券を活用
    短期債券は金利変動の影響を受けにくく、安定した収益を得られます。
  • ドルコスト平均法
    時間を分散して投資し、価格変動リスクを抑えます。
  • 債券ETFの利用
    分散投資が簡単にでき、少額から始められるので初心者に最適です。

私のこの状況下での今後の投資戦略

  • 安全資産への分散投資
    日本株・米国株の高配当銘柄と、米国債券ETF(TLT)をポートフォリオに組み込むことでリスクを軽減したいと思います。
  • 高配当株や防御的セクターへの投資
    景気に左右されにくいセクター(公益事業、医療、生活必需品など)や、高配当株に投資することで安定収益を確保します。
  • 分散投資を徹底
    株式、債券など複数の資産に分散投資することで、どの市場環境でも安定したリターンを目指します。
  • リバランス
    分散投資のポートフォリオ比率を決め、リバランスを図ることで、安定したリターンを目指します。

まとめ

 現在、米国債利回りが上昇している背景には、高金利政策、インフレ懸念、債券供給の増加などの要因があるようです。現在、債券価格が下がり利回りが上昇しており、新規投資家にとっては魅力的な状況です。市場の動向を把握しリスク管理を徹底しつつ、債券も組み込んだ資産運用を行っていきたいと思います。

 あなたも一歩踏み出して、投資家デビューしてみませんか?
 皆さんも、もし投資に興味があれば、ぜひ一緒に学び、成長していきましょう!

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